IT土方だった頃をふりかえり
私は16年ぐらい在籍した会社員の頃は、俗にいうデジタル土方、IT土方という底辺の下請けプログラマでした。
底辺というだけに入社した会社は中小零細で、自社でのサービスはありましたが、
中小ソフトハウスはどこもそうですが、SIerさんにエンジニアを出した方が費用は掛けずにお金が手っ取り早く入るので、
SES(システムエンジニアリングサービス)での売り上げがほとんどというところが多いです。
一番底辺の企業は直接取引するまでの営業力・信用力もなく、ほとんど待ち営業で、
元請け企業から自社までの間に複数の会社が入っているので、その分、マージンも抜かれるので、入ってくるお金も少なくなります。
現場に入ると立場は勿論、低いので理不尽な要求も多々、強いられることもあります。
そう言いながらも16年ぐらいIT土方をやっていたので、
メリットとデメリットを振り返りたいと思います。
●デメリット
・デスマだと低賃金のIT土方さんは長時間労働、休日出勤は避けられない。
・担当する工程がプログラミングが主なので、設計などの上流工程が遅れると納期までの工程が狭まるので、タイトなスケジュールになりやすい。
・客先へ常駐する社員が多いので、自社に対する帰属意識が低くなる。
・SIerさんの案件ばかりなので、信頼と安全性が重視されるので、使う言語や技術のバージョンも何世代かの古いものが多く、
最新の言語や技術については仕事からは身につけない。
・担当する作業がプログラミングが主なので、流れたままで仕事をしていると、サーバー構築できない、設計できない等といった、プログラミングしかできない片寄ったキャリアになる。
・底辺なので、収入は低収入。労働時間の割に収入との釣り合いが取れない。
・長期間同じ客先に常駐することは、ある意味、現場では仕事が出来るヤツだと評価されている訳だが、その現場でしか通用しないスキルなので、
スキルのガラパコス化しやすく、視野が広がらない。
●メリット
・忍耐力は自然と身につく
・担当してきた古い技術については詳しいという珍しい存在になりうる場合が稀にある。
メリットはもっとあるかなあと思いましたが、振り返るとデメリットが多くなってしまいました。
デジタル土方、IT土方というのはデメリットばかりですが、忍耐強くなれるのは間違いないです。
SIerさん界隈のSES(システムエンジニアリングサービス)のビジネスシステムはそう長くは続かないと思います。
ある特定の企業に向いた形のままである客先常駐だと、技術のガラパゴス化になり、
市場に向いたスキルが形成できないという危険性が高いと個人的に思っています。
今後、市場に向いたスキル形成を磨く道へ早めに移行していくことは賢明だと思います。
木村さんのツイートはよくそういうことを指摘していたので、影響を受けました。
https://twitter.com/toukatsujin?lang=ja